2015年03月13日

老人福祉事業者の休廃業・解散が急増!4月からの介護報酬の引き下げでさらなる増加も

9日に帝国データバンクが発表した、『老人福祉事業者の「休廃業・解散」動向調査』によりますと、2005年~2014年の10年間における老人福祉事業者の休廃業・解散は428件。2014年だけでもその数は130件にのぼり、その前の年の1.5倍以上。12年から3年間の休廃業・解散の数だけでも、直近の3年間で比較しただけも、05年から11年の間すべての休廃業の数を足した2倍に達してるとのこと。

集計を行った帝国データバンクでは、今年の4月に実施される介護報酬引き下げによって、今後さらにこうした状況が進むのではないかと伝えています。

「休廃業・解散」と「倒産」の件数推移(2005年~2014年) ※帝国データバンク調べ ©TEIKOKU DATABANK, LTD.

「休廃業・解散」と「倒産」の件数推移(2005年~2014年) ※帝国データバンク調べ ©TEIKOKU DATABANK, LTD.

休廃業となった事業者の内訳を見ると、「株式会社」の 169 件(39.5%)が最多となり、次いで「特定非営利活動法人(NPO法人)」(26.6%)、「有限会社」(78.0%)の順に。所在地別で見ると、「北海道」が 45 件で最多となり、「東京都」(21 件)、「岡山県」(17 件)が続いているという状況です。

高齢化が進む現在、本来であれば、老人福祉事業者が運営する介護施設 への需要は高まるばかりのはずですが、どうしてこのようなことが起きているのでしょうか。

その原因としては、老人福祉関連事業を手がける企業や団体は、2000年4月の介護保険法施行以来増加を続け、2006年には4万357件となり事業者間での競争が激化したこと。2006年4月に見直された介護報酬の引き下げによって経営環境が悪化する業者が増加したことに加え、近年の介護職における労働環境の悪化や賃金問題などから人手不足となった事業者が休廃業・解散に追い込まれていることがあげられています。

先日も、ニュースで、就職活動中の学生も、低賃金や重労働のイメージが先行する介護業界への就職を避ける傾向が強く、事業者側は深刻な採用難に陥っていて、このままではこの先の日本の高齢化社会を支えることができなくなると報じられていました。

●東京新聞:介護業界の採用難深刻 「売り手市場」就活学生敬遠(2015年3月8日 朝刊)

厚生労働省によると、二〇一三年度の介護職員数は約百七十一万人。年々増加しているが、要介護者数も増えており、人手不足が慢性化している。

しかし介護業界は賃金水準が他業種に比べて低い上、排せつ介助や深夜勤務も敬遠されがちだ。他業界が採用数を増やす中「介護系の学生でも希望者は非常に少なく、商社や製造業に流れてしまう」(都内の介護事業者)との声も漏れる。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015030802000127.html

高まる一方の介護ニーズにおける需要と供給のバランスの崩れ、そして次代を担う若い世代の介護職離れ。そして、介護保険の制度としての持続性にも疑問が持たれるような報道がこのところ続いています。

果たして日本の介護はこの先どうなってしまうのか。制度としても、そして私たちの介護というものに対する認識そのものに対しても、抜本的な改革が必要な時代に差し掛かっているのではないでしょうか。

▼外部リンク

・帝国データバンク:特別企画 : 老人福祉事業者の「休廃業・解散」動向調査(2015年3月9日) http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p150305.html

 

介護エージェント運営事務局