2018年03月13日

高齢者で「友達がいない」と老後の生活が孤独で不安?高齢になってからの友達の作り方とは

高齢者友人

老後の生活については様々な不安がつきまといます。身体能力の衰え、認知症、経済面、介護…と不安材料を挙げればきりがないほどです。そのなかで、「友達関係」も心的な要因として大きいものではないでしょうか。表立ったキーワードとして出てくることは少ないですが、年を重ねるごとに「友達関係」は希薄になり、孤独な思いを抱えている人が少なくありません。自分の自由に使える時間が多くなる老後、できることなら毎日を楽しく過ごしていきたいですよね。そのためには「友達」は欠かせない存在ではないでしょうか。今回は高齢者の「友達」問題について考えてみたいと思います。

日本の高齢者の4人に1人が「友達ゼロ」

今から20年以上前の作品ですが、1993年に公開された「僕らはみんな生きている」という映画のなかに、印象的なセリフがあります。主演の真田広之が反乱軍に向かっていうものですが、「父親は30年以上会社のために働いてきた。その間には毎年何百通の年賀状が届いていた。でも、会社を定年退職後に届いた年賀状はたった数枚。(父親は)しばらくポストの前で郵便が来るのを寂しく待っていた」という内容です。

つまり、何百通も届いていた年賀状は仕事上のお付き合いのみの関係で、仕事がなくなった途端にそのつながりもなくなったということです。とりわけ、仕事に自分の時間の多くを注いできた人にとって、老後の生活は「何もすることがない」だけでなく、「人とのつながりもなくなった」状態に近いのではないでしょうか。

孤独

内閣府が5年ごとに実施する「高齢者(60歳以上)の生活と意識に関する国際比較調査」(2016年)によると、「家族以外に相談あるいは世話をしあう親しい友人がいるか」という問いに日本の高齢者の25.9%が「いない」と回答しています。実に高齢者の4人に1人が「友達ゼロ」という状態だとわかります。この調査は日本を含む4か国で実施されており、他の3か国の割合はアメリカで11.9%、ドイツで17.1%、スウェーデンで8.9%で、日本だけが突出した結果となっており、「日本の老人は世界一友達が少ない」ということを裏付けるものといえます。

「友達がいる」ことで得られるメリットは?

前述の調査では、「病気になったとき、同居の家族以外に頼れる人は」の質問に対して4か国とも一番多いのは「別居の家族・親族」でした。二番目に多い回答は、日本を除く3か国が「友人」で、実に40%を超える回答数です。しかし、日本で「友達」と答えた人はわずか18.5%にとどまり、およそ8割の人は頼れるような友達がいないということになるのです。

何かあったときに頼りになるような友達がいれば、本人だけでなくその家族も安心できると思います。逆にその友達からも頼りにされていれば、「自分は必要とされている」と思えて気持ちの張り合いにもなるのではないでしょうか。友達がいることで得られるメリットは、他にも次のようなものがあります。

・楽しく話をすることで、毎日の刺激になる
・友達とのつながりを感じられることで寂しさを感じない

他者とのコミュニケーションが月1回以下の高齢者は、要介護や認知症になる危険性が高まるといわれています。他者と対話し、脳の記憶系や勘定系の脳番地を刺激しないと、脳は成長しにくくなり認知症に向かってしまうそうで、「何を言うか、予測のつかない相手との対話」こそが脳にとって良い刺激になるとのこと。人とのつながりは、私たちが思う以上に刺激になり、さらに「何かあったときにも助け合える」という、心の支えにもなるのです。

老後の友達、どうやって作る?

考える高齢者女性

「友達を作りたい」そう思っても、実際「どうやって作ればいいのかわからない」という人も多いと思います。若い頃のように、学校や会社といったコミュニティに属していないと、なかなかつながりを作るのは難しそうに感じられるからです。ここでは、高齢になってから「友達を作る」方法をいくつか紹介します。それぞれ、ご自身が楽しめるものが友達とのつながりを得られるきっかけになれば一番良いですね。

・習い事を始める
前々からやってみたいと思っていたことに、新たにチャレンジするのはどうでしょうか。新しいことを始めることは刺激的ですし、「できるようになった」という達成感も得られます。そこで、一緒に取り組める友達も自然とできるかもしれません。人気の習い事としては、「パソコン」「書道などの日本文化」「スポーツ」「料理」「外国語」「社交ダンス」などがあります。

・地域のコミュニティに参加する
お住まいの市区町村には、地域の老人会(サークル)があります。高齢になってからのお付き合いというケースも多いそうです。まずは役所でどのような老人会(サークル)があるのか案内してもらい、自分に合ったものがあれば見学し、気軽な気持ちで参加してみましょう。

・SNS(ソーシャルメディア)で友達を探す
総務省が発表している全世代のインターネット利用動向の調査によると、高齢者のインターネット利用率は年々上がっているとのこと。FacebookやTwitterなどのSNSアカウントをコミュニケーション手段として開設する高齢者も多く、なかにはインスタグラムで独自のファッションセンスを披露し300万人以上のフォロワーを獲得している89歳の米国人女性もいます。

・一人参加型の旅行ツアーに参加する
旅行好きな人におすすめなのが「おひとりさま」限定の旅行ツアーへの参加です。参加者は皆一人で参加していますが、旅行という同じ趣味を持つ者同士、意気投合することもあるかもしれません。ツアーは搭乗員が同行するものが多いので、一人でも安心して参加できるのも魅力です。国内・海外旅行や現地集合型の交流会をメインにしたツアーまで、さまざまなプランがあるのでまずはチェックしてみてはいかがでしょうか。

おひとり参加限定の旅 同世代で楽しむひとり旅
https://www.club-t.com/theme/friend/ohitori/kokunai/generation.htm

老人ホーム入居後に友達を作ることはできるの?

老後生活の選択肢のひとつとして「老人ホームへの入居」を考えられている人もいるかと思います。老人ホームに入居した場合、新たに友達を作ることはできるのでしょうか。

元気なうちに入居する「自立型」の老人ホームでは、気の合う入居者が集まり、サークルや同好会活動が盛んに行われていたりします。囲碁や将棋、麻雀などが趣味の入居者が自らサークルを立ち上げ、入居者同士で良い関係性を築いているのです。

もちろん、老人ホーム主導で定期的なレクリエーションやイベントを行い、入居者同士の交流を深める機会としている施設も多くあります。基本的に参加は任意ですが、一緒に時間を過ごすことで自然とコミュニケーションが生まれ、関係構築ができ、趣味の合う人同士であれば自然と会話も弾み、スムーズに打ち解けられるでしょう。

高齢になってからの「人とのつながり」はより大切なものに

つながり

人とのつながりは、社会とのつながりともいえます。自分が誰かを必要とすること、そして誰かから必要とされることで社会的・感情的・肉体的な幸せのプラス連鎖が生まれるのです。つまりは「社会性」が、こころとからだ、アタマにも良い影響を及ぼすということになります。意識して地域の人とのコミュニティを大切にしたり、趣味の集まりを持っている人は、時間を持て余し日々の張り合いがなく過ごしている人と比べて、各段に元気に人生を謳歌しています。

ハーバード・ウィメンズ・ヘルス・ウォッチ紙によれば、「家族や友人、コミュニティと満足のいく関係を維持している人は、(そうでない人に比べて)幸福で健康問題も少なく、長生きであることが数十の研究で明らかになっている」といいます。「人生楽しんだもの勝ち」ということばがありますが、まさにその通りで、高齢になっても自分が意識して積極的に行動を起こすことで、おのずととりまく環境も変わってくるのではないでしょうか。特に人とのつながりから得られるものは大きいはず。「縁」を大切にしながら、楽しく充実した老後の生活が送れると良いですね。

▼参考資料
・平成27年度第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果 内閣府
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h27/gaiyo/pdf/gaiyo_2of2.pdf

・友達のいない老後は寂しい…60代からの友達の作り方 NEVERまとめ
https://matome.naver.jp/odai/2146840193546375901?&page=1

・老人ホーム入居後に友達をつくることはできますか? LIFULL介護
https://kaigo.homes.co.jp/qa_article/14/

・高齢者の孤独対策にSNS!?認知症やうつ抑制への効果の期待値とは みんなの介護ニュース
https://www.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no322/

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