2017年05月29日

介護職員に「子育て支援」…高齢者施設内に職員向けの託児所を併設する事業所も

お絵かき

近年、介護現場における人材不足が社会問題となっており、高齢者施設や介護事業所においては、職員の離職防止が大きな課題といわれています。

職場環境や賃金の問題など介護職員の離職理由はさまざまですが、育児との両立の難しさから仕事を続けることをあきらめる人も多いことから、現在では介護事業所の間で、施設内に託児所を設けたり、職場への子どもの同伴を可能にしたりといった「子育て支援」をおこなう動きも出てきています。

職員向けの託児所を設置し、育休明けの職員には短時間の正社員制度も

長野・飯田市内で6つの高齢者施設を運営する株式会社たまゆらでは、「託児所があれば仕事を続けられるのに」という職員の言葉をきっかけに、2007年には託児料金を公立の未満児保育(3歳未満の保育)の約半分に抑えた職員向けの託児所を設置。同社では職場への子どもの同伴が認められているほか、育休明けの職員を対象とした午前9時~午後3時という短時間勤務の正社員制度も導入されているとのことです。

また長野市の総合福祉施設「やすらぎの園」では、2015年に施設内に職員向けの託児所を設置したことや、新人職員の研修を充実させたことにより、2014年~2016年の新卒職員(21名)における離職者を1名に抑えられたといいます。

東京・杉並には職員向け託児所を併設した有料老人ホームがオープン

長野県ではこうした事業所内保育施設への補助制度を2016年度からスタートしていますが、県内の介護施設にどの程度託児所や保育施設があるか調査はしていないとのこと。しかし2017年度には県内の9施設が同制度を利用する見通しといいます。

また長野県以外でも、2017年2月には介護大手である株式会社ツクイが、東京・杉並区に同社では初となる従業員向け託児所を併設した有料老人ホーム「ツクイ・サンシャイン杉並」を開設しています。

「子育て支援」の背景には待機児童の問題も

上記のように介護事業所が「子育て支援」に乗り出す背景には、介護現場の人材不足以外にも、希望しても認可保育所に入ることができない待機児童の問題があります。現在報告されている待機児童数は全国で約2万3千人とのことですが、「保護者が育児休業中」などの理由で待機児童にカウントされない「隠れ待機児童」は6万7千人にも上るといわれています(いずれも2016年4月1日時点での数字)。

上記の長野・やすらぎ園では、職員の子育て支援について「託児所運営は赤字だが、利用者と職員の目線の双方を大切にしなければいけない時代」と説明していますが、介護現場の人材不足を解消するために必要なのは、事業者側のこうした視点なのかもしれませんね。

▼参考資料
・介護職員、託児で安心 県内の施設、子育て支援の動き 信毎web
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170402/KT170324FTI090009000.php

・従業員向け託児所併設「ツクイ・サンシャイン杉並」 株式会社ツクイ ニュースリリース
http://www.tsukui.net/upload_images/20170123160046_34490.pdf

・待機児童 解消、道険し 厚労省、実態把握へ定義見直し 保育サービス充実は不透明 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20170409/ddn/016/100/039000c

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