2017年03月23日

高齢者の踏切事故が都内で多発…警視庁や鉄道会社による緊急対策会議も

踏切

2017年2月、高齢者が踏切内で死亡する事故が東京都内で相次いでいることを受け、警視庁や鉄道会社が緊急の対策会議をおこなったことが報じられました。

都内では、同年2月8日に日野市にある踏切を歩行中の69歳の女性が列車と衝突し、死亡する事故が発生。さらに2月9日には豊島区の西武池袋線の踏切で手押し車をおして歩行中の78歳の女性が転倒し、準急列車にはねられる事故が発生したほか、2月10日には葛飾区の京成立石駅に近い踏切で、電動アシスト付きの自転車で踏切を渡っていた89歳の男性が、踏切を渡りきる前に遮断機が下り、快速特急電車にはねられる事故が発生しています。

踏切事故による死亡者の約7割は歩行者で、そのうち約4割が高齢者

国土交通省の資料によれば、近年の踏切事故の件数は、高架化などによる踏切の減少や安全対策の実施により減少傾向にあるとのこと。しかし、踏切事故による死亡者の約7割が歩行者であり、そのうちの約4割が65歳以上の高齢者というデータもあることなどから、同省では2015年に「高齢者等による踏切事故防止対策検討会」を開き、踏切事故の原因究明や防止対策の検討をおこなっています。

また検討会の分析によれば、高齢者の踏切事故の事象と原因はおもに下記の3つに分類されるとのことです。

1.踏切を渡りきれない→【原因】歩行速度が遅い、段差などにつまずいて転倒しやすい、狭い踏切道では車とすれ違うときに立ち止まってしまう
2.遮断機に阻まれて踏切内から出られない→【原因】筋力の低下などにより、遮断機を持ち上げたり、遮断機をくぐったりすることができない
3.警報機が鳴ったあとに踏切内に進入してしまう→【原因】警報機が見えづらい(警報音が聞こえづらい)などの理由により、警報を認識していない

政府や警視庁などが検討する対策とは

上記のような原因による事故を防止するため、国交省では踏切内に歩行者用の避難場所を設ける、段差を解消する、非常用ボタンを増設する、バリアフリー化された迂回路を活用するなどの対策が検討されたとのこと。

また冒頭に述べた緊急対策会議では、踏切内に人や物などが取り残された際に素早く検知して対応できるシステムを設置することや、事故原因を究明するためのカメラ(ドライブレコーダー)を電車の先頭車両に取りつけることなどが話し合われたといいます。

踏切は高齢者にとって「身近な危険」

2017年2月9日に事故が発生した西武池袋線の踏切内には、カーブの遠心力を抑えるための大きな起伏があったそうです。

また2月10日に事故が発生した京成押上線の踏切には、障害物を検知するセンサーが設置されていたものの、おもに車など大きな物を対象とする装置だったため、事故当時に線路内に取り残された被害者を検知することができなかったとのこと。また、この踏切の近くにはスロープ付きの地下道も設けられていましたが、傾斜がきついため高齢者が利用するには困難があったといいます。

このように都内で相次いで起きた踏切事故からは、高齢化の進展に事故対策が追いついていない実情も伺えますが、こうした事故を防止するためには、踏切が高齢者にとって「身近な危険」であることを本人や周囲の人が認識し、安全を最優先した行動を取ることも大切といえそうです。

▼参考資料
・高齢者踏切事故 鉄道事業者などが対策検討 NHKニュースWEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170222/k10010886411000.html

・<鉄路の死角>(上)開かない遮断機 不便が危険に直結 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201702/CK2017022602000127.html

・高齢者等の踏切事故防止対策について 高齢者等による踏切事故防止対策検討会
http://www.mlit.go.jp/common/001105649.pdf

介護エージェント運営事務局