2016年05月16日

「サービス介助士」と私たちにできるサポート…街角で途方に暮れる高齢者を見かけたらどうすればいい?

差し伸べた手

電車やバスの乗り降りから、「道に迷った」「切符の買い方がわからない」「ATMの使い方がわからない」…などなど、高齢化の進行と同時に、街の様子も急速に変化している現代の日本では、高齢者が日常生活の中でサポートを必要とする場面が多く見られます。

こうした、サポートを必要とする高齢者や障がい者に対して、街のさまざまな場所で、お手伝いや介助を提供するための資格が「サービス介助士」です。

交通機関や銀行、スーパーなどに導入されるサービス介助士

公益財団法人 日本ケアフィット共育機構が認定するサービス介助士は、身体が不自由な人や聴覚・視覚に障がいのある人、車椅子を使用している人などをサポートするための資格です。同資格の取得には実技教習も必須とされており(在宅で取得できる准サービス介助士の資格もあり)、すでにJR東日本をはじめとする鉄道・バス会社、銀行、スーパー、デパートなどさまざまな企業への導入実績があるとのこと。企業に配置された「サービス介助士」の資格を持つ人たちは、駅や空港、公共交通機関での車椅子を使用する人への介助や、高齢者・障がい者への接客・案内などに活躍しているそうです。

街角で困っている高齢者に対しては「声かけ」が大切

一方、サービス介助士のような専門家のいない場所、たとえば住宅街などにおいても高齢者がサポートを必要とする場面は多く見られます。たとえば、長いスロープのある歩道橋を車椅子で渡るときや、街角で迷子になってしまったとき。認知症を持つ高齢者においては、徒歩で思いがけず遠くへ出かけてしまう場合もあることから、帰り道がわからず、途方に暮れてしまうというケースも多く見られます。また、高齢者に多いパーキンソン病の患者の場合は、散歩に出た先などで症状が起こると、うずくまったまま動けなくなってしまうことさえあるのです。

こうした理由で、街角で途方に暮れたり、動けなくなったりしている高齢者を見かけた場合、私たちにまずできるのは「声をかけること」。困難な状況に置かれた高齢者に対しては、相手の目の高さに視線を合わせて、(高齢者は耳の遠いケースも多いため)ゆっくり・はっきりと、「大丈夫ですか?」「なにかお手伝いできることはありますか?」と声をかけることで、サポートの意思を示すことが重要です。なかには、羞恥心や「家族に怒られる」といった理由からサポートを拒むケースや、意識障害を起こしていて通常の会話ができないといったケースもありますが、そんなときでも「交番にしらせる」「状況を伝えて救急車を呼ぶ」といった対処は可能です。

2014年、横浜市の施設から行方不明になった男性(当時83歳)が、東京都内の公園で脱水症などにより死亡しているのが見つかるという事件が報じられました。認知症による徘徊だけでなく、気温の高い季節は、高齢者にとって熱中症のリスクも高くなる時期ですが、こうした痛ましい事故を防ぐためには、私たちひとりひとりの「高齢者や障がい者をサポートする姿勢」が重要となります。また、高齢者が自分の意思で休息を取っているのか、それとも「動けない」のか…ということについては、私たちが見た目だけで判断するのは難しい面もあります。そのため、街角での介助・手伝いの場面においては、サポートする人が自分ですべてを背負い込むのではなく、「できる範囲の手伝いをする」「家族や警察、病院など関係者・専門家につなぐ」という考え方も大切といえるでしょう。

(認知症患者への声かけについては、次回ニュース記事で詳述します)

▼参考資料
・サービス介助士とは? 公益財団法人 日本ケアフィット共育機構
https://www.carefit.org/carefit/system/

・「パーキンソン病」は60歳以上の100人に1人が発症-症状は? 安心介護
http://ansinkaigo.jp/press/archives/3105

・どうすれば救えたか…認知症男性、保護されず公園で死亡 朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASH485QCHH48UTIL02H.html

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