2016年01月27日

「空き家を介護住宅に」…都市部では特養老人ホームの規制緩和も。東京圏で深刻化が懸念される介護施設不足の問題とは?

団地

今月17日、政府が首都圏を中心に空き家を活用し、在宅介護・医療の施設として整備する方針を固めたことが報じられました。

産経新聞の記事によれば、この方針には、空き家を在宅介護対応住宅に転用することに加え、要介護者を24時間見守るICT(情報通信技術)を使った高度医療システムの導入も盛り込まれているとのことです。また、厚生労働省では昨年11月に、これまで運営主が建物をもつ必要のあった特別養護老人ホームについて、今年春から、高齢者が増える東京などの都市部に限って規制を緩和し、借りた建物で運営することを認める方針も打ち出しています。

急速に進む高齢化への懸念

このように、政府が介護施設の増設・整備を促す背景には、高齢化の急速な進行による深刻な介護施設不足への懸念があります。特に、介護保険を使うことで自己負担を比較的低く抑えることができ、生涯介護を受けながら住み続けることのできる特別養護老人ホームについては、施設に入りたくても入れない「待機老人」が都市部を中心に全国で約52万人いるといわれており、社会問題にもなっています。

国内における高齢化は、まず地方からはじまったといわれていますが、地方から若者が流入する東京・埼玉・千葉・神奈川の「東京圏」と呼ばれる都市部については、現時点での高齢化率(総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合)は全国平均に比べて低い状況となっています。しかし、日本創成会議では、今後は多くの地方において高齢化がスピードダウンし安定化していくのに対して、人口の集中している東京圏では、1947年~1949年の第1次ベビーブームに生まれた「団塊の世代」をはじめとする多くの人々が高齢者となっていくことなどから、急激に高齢化が進んでいくことが予測されています。東京圏に一極集中した人口が高齢化していくことで、団地やニュータウンにおける「独居老人」が増加することや、介護施設が不足することが懸念されているのです。

介護現場の人材に対する課題も

増加する高齢者に対して、従来の施設だけでは収容人数に限界があることから、老人ホームなどの介護施設の増設はたしかに必要な施策といえます。

その一方で、すでに高齢化が進み、働き手となる世代が減少している地方においても、東京など若者の多い都市部においても問題となっているのが介護・医療現場における人材不足です。今後、介護を必要とする人がますます増えていくと予測される現代の日本では、介護施設の増設・整備とともに、いかに介護の現場に人材を確保し、育てていくかが大きな課題となっています。

▼参考資料

・空き家、介護住宅に 首都圏の施設不足解消狙う 政府方針 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160118-00000051-san-bus_all

・特養、都市部で増設へ賃貸物件も 厚労省方針 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO93796680Z01C15A1MM8000/

・東京圏高齢化危機回避戦略 日本創成会議
http://www.policycouncil.jp/pdf/prop04/prop04.pdf

 

介護エージェント運営事務局